妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)
■ 妊娠中毒症とは何か
妊娠中毒症という呼び名が一般的ですが、現在は名称は妊娠高血圧症候群
に改められています。
妊娠中に高血圧、尿タンパクの症状が見られ、それが妊娠前から持っている
症状でないもの(妊娠20週以降から出産の6週以内に発症したもの)を
妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)といいます。
以前は高血圧、尿タンパク、むくみ(浮腫)の一つもしくは二つ以上の症状
がみられたら、妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)ということでしたが、現在
むくみは外されています。
妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)は、全妊婦の約5〜10%に発症し、初産婦
は経産婦より6〜8倍発症しやすく、10代の妊婦と35歳以上の高齢妊婦に
発症しやすいといわれています。
■ 妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)の症状
妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)の症状としては妊娠後期に高血圧、蛋白尿が
あらわれることが多く 下半身のむくみから全身のむくみに発展することが
あります。
妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)重症のケースでは子宮内環境が良くないため
に胎児の発育が悪く、胎内発育が遅れ場合によっては胎児が死亡するケースも
報告されています。
母体に現れる影響としては、頭痛、不眠、嘔吐、めまい、視力障害を合併する
ことがあり、これは急激な血圧上昇によって脳に何らかのダメージがでたこと
が原因と思われます。
■ 妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)の治療
妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)の原因は妊娠なので、最も有効な治療は
妊娠が終わること、つまり出産です。
しかし、妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)の治療は母体だけでなく胎児にも
気を配らなくてはならないため(妊娠中毒症には子宮内胎児発育遅延を合併
したり、未熟児の原因となる)母体と胎児に負担がかからないように無事、
出産までにこぎつける治療法を行う必要があります。
今のところ妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)には母体の症状によって食事療法
と薬物療法が使い分けられます。
ただし、母体、及び胎児になんらかの異変が生じた場合は強制的な計画分娩
により、胎児を取り出す必要がでてきます。その際に予想外のことがおこり
母児ともに命をおとすことも稀にあります。
○ 妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)の食事療法
妊娠中毒症が比較的軽度である場合は食事療法によって治療を試みる
ことになります。
妊娠中毒症の食事療法の基本は体格指数(BMI)を基準としたもので、
太り過ぎないように摂取カロリーや蛋白質摂取量に制限が加えられます。
食事療法で気をつけるポイントは以下の点です。
・総カロリー ・塩分摂取量 ・水分摂取 ・蛋白質摂取
○ 妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)の薬物療法
重度の妊娠中毒症のケースでは食事療法ではなく薬物療法による治療が
一般的です。
薬物療法では、妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)の症状である高血圧に対する
降圧療法および硫酸マグネシウムによる子癇発作の予防があります。
蛋白尿に対してはいまのところ有効な薬物療法がないため、重症例に対して
は妊娠状態が終わることでしか治療の方法はありません。
■ 妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)の予防
妊娠中毒症の決定的な治療法がない現在では、妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)
予防に焦点が向けられています。妊娠中毒症の予防においても他の病気の予防
と同じく規則正しい生活をして身体的にも精神的にも健全な妊娠生活を心がける
ほかありません。
妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)予防のポイントは以下の点です。
・睡眠 ・運動 ・リラックス ・食事療法